総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
両手をだらんと下げ、ポツリポツリと話し出す。
「忘れもしねぇよ‥‥。お前と会ったとき。‥‥‥お前から去った時を‥‥‥。」
それは小さくて、消え入りそうな声だった。
「俺は、お前に裏切られたのが素直に悲しかった!俺は役立たずなんだって思わされたっ!俺は‥‥‥お前の何なんだろうって考えたとき‥‥‥わからなかった。ダチだって思いたかったのに‥‥自信持って思えなかった‥‥‥。」
知らなかった‥‥‥コイツがこんなことをあの時考えていたなんて。
「お前はいつでも、俺のはるか先にいた。いつのまにか、俺の隣にお前はいなかったんだ。俺は、ただ‥‥‥‥‥ただお前に追いつきたかったんだよっ!」
地面に叩きつけるようにして叫ぶダイ。
俺は、自分でも知らないうちに拳を握り叫んでいた。
「ふっざけんなっ!!!」
感情が高ぶって、息が乱れる。