総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
最初は、ダイが俺に対してそんな感情を持ってったのかって思ってたけど最後の一言でそれは消し去られた。
「お前、たったそんだけのことで『あんなこと』したんかよ。あぁ?」
俺はあの時の事を思い出しながら、ダイを睨みつけた。
「し、仕方ないだろっ!あれが、俺なりのサインだったんだよっ!SOSだったんだよっ!」
「なんでっ!直接俺に言わなかったんだよっ!そしたら『あいつ』は傷つかずに済んだんだぞっ!?」
――――バキッ
ダイを殴った右手が痛かった。
軽く1メートルぐらい吹っ飛んで行った。
砂埃が舞う中に蹲るダイ。
「もう、お前に情けはかけねーぞ。」
「かけてくれてたのかよ。」
「最初だけだ。あの時の事を思い出して、話し合いで和解できるかもとか考えた俺がバカだった。」