総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
それが一週間ぐらい続いたときのことだった。


いつものように公園に来てブランコに乗って、時計が3時を知らせた時だった。


「いた‥‥っ!」


シンがいきなりブランコから飛び降りた。


がしゃがしゃと音を立てて揺れるブランコ。


一体何がいたんだ‥‥。


半ばうんざりしながらシンの視線の先を見た。


そこには。


「あ‥‥‥」


以前転ばせてしまった女の子が、赤ちゃんを抱っこした女の人と手をつないで歩く姿があった。


そっか、シンはこの子とまた会いたかったのか。


仲良さげに歩く女の子を少し頬を赤く染めて、見つめるシン。


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