総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
女の子は俺たちに気づいて、足を止めた。


女の人の袖を引っ張って、俺たちを指差しながら何かを笑顔で話している。


それを聞き終えた女の人は、俺たちのところまで歩いてくると


「この前は、レナがお世話になったみたいで。どうもありがとうね」


彼女によく似た笑顔を俺たちに向けた。


「お礼がしたいの。おうちに来ておやつでも一緒に食べない?」


俺とシンは顔を見合わせた。


親父からは、迷惑になるからやめろと言われていた。


なんだかお互いの家にとってよくないらしい。


「あの、僕たちは‥‥」


帰ります。そう言おうとした。


「行きたいっ」


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