総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
だけど、今あたしの目に映ってるシンは違う。


何かにすがりつくような目。


顔は今にも泣きそうに歪んでいた。


どうして、そんな顔をしてるの。


下唇を強くかんだ。


「もうっお前らのとこも潰れてる頃だろうよ!」


シンが最後の悪あがきのように叫んだ。


そんなことない!


ユウコやミズキたちは‥‥‥負けないっ!


だって誓ってくれたもんっ。


だから‥‥‥だからっ!


ギュッと目を閉じたとき、低く少しだけ楽しそうな声が倉庫内に響いた。


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