総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
恥ずかしいよ、悔しいよ、苦しいよっ‥‥‥!


なかなか返事もしないあたしに、ヒサは小さくため息をついた。


ゴメン‥‥ゴメン。


だけど、もう一度チャンスが欲しい。


あなたたちを、信じるチャンスが欲しい!


「お前は、俺を信じてるか」


チャンスを‥‥‥‥‥くれるの?


今度こそっ‥‥‥‥‥言わなきゃ。


「信じてるよ!」


「あいつらを‥‥‥信じてるか」


「信じてる!」


「その言葉が聞ければ十分だ」


フッと笑ったヒサはゆっくり、振り向いてあたしよりも少し後ろに視線を向けた。


「その言葉を聞くために、あいつらはお前のもとに帰ってきた」


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