総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
「もう、お前とレナを合わせるつもりはねぇ。」
苦しそうに顔を歪めるシンをただ、まっすぐに見つめて。
「時々レナは悲しい顔をする。お前の話となると苦しい顔をする。俺はもうそんな顔をするレナを見たくねぇ。させたくねぇ。だから」
ヒサは、一拍置くとあたしのほうを見て
「俺がこいつのそばにいる。俺が、こいつの笑顔を作る」
フッと笑うとまた鋭い目つきになり、
「お前には渡さねぇ。今回はそれを言いに来た」
ヒサの一言一言にドキドキした。
え、あたしは、こんなにもヒサから想われてたの?
嬉しくて泣きそうだよ?
言い終えたヒサはパッとシンの頭から手を離し、携帯を取り出した。