総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
ひんやりしたアキの手に、あたしの手を重ねる。


「ありがとう、戻ってきてくれて。また、会えてよかった」


「俺も‥‥プリンセスにまた会えてよかったよ」


ニッと笑ってくれる。


その笑顔に、本当にほっとする。


「おい、何抱きついてんだよ」


やっと‥‥‥‥獣が目覚めた。


「いやぁ、ちょい前からほんとは起きてただろ?お前。ちょっと意地悪してみちゃった」


固まるあたしを挟んで平然と言葉を交わす2人。


いやいやいや、ちょっと‥‥待ちましょうよ。


「で、いつまで抱きつかれてんだよ。アホ」


寝てるあいだにどうやら、口の悪さまでひどくなったらしい。


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