総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
切ない声に、胸がキュウってなった。


「でも、あたしは‥‥ヒサが見たいっ」


歪んでいく視界と熱くなる目頭。


「レナ‥‥」


「心配したのに‥‥、あほぉ‥‥っ」



緩くなったすきを見て、ガバッとあたしも抱きついた。


ゆっくり伝わって来るヒサの体温に、安らぎを覚える。


「‥‥とう‥‥」


「ん?」


右手でギュッと抱きしめ、左手で頭を撫でてくれる。


ポロポロ涙を流しながら、溢れ出る思いを伝える。


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