総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
指を絡め、まだ、傷の残る手に自分の手を合わせた。


「今日は‥‥よく泣くな」


いつものように、ふわりと笑って握り返してくれる。


「やっと、お前の笑顔が見れそうだ」












チクリと痛む胸に目を背け


今の幸せだけに目を向けた


朝日があたしたちを包む中


そっとした口づけは


あたしの大好きな、桃の香りがした








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