総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
『一旦戻って来い。お前ら。』
「わかった。」
俺はヒサとの電話を切ってシュウを見た。
未だ、血まみれの猫を抱きかかえ優しく頭をなでている。
「悪ぃ・・・。」
伸びてきた前髪でシュウの目元は見えなかった。
ただ、シュウが呟いたとき猫の額に小さな滴が落ちた気がした。
それから、そっと地面にその猫を置き空を見上げた。
「・・・・ぶっ潰してやる・・・!!」
左手の拳を悔しそうに握るシュウに、俺は何も言えなかった。
自分たちの戦争のために犠牲になった幾つもの小さな命。
必ず・・・お前たちの墓に天神連合の旗を一緒に埋めてやるからな・・・。