総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
獣の"ドン" ~ルイside~
いつ見ても、でかい・・・。
門の前まで来たが、横を見てもずーっと壁が続いてる。
どういうこっちゃ。
「結良(ゆうら)一家のご子息、ヒサさんの御用で参りました。ルイです。」
そう言うと、ギギィッと音を立てながら開く木の門。
門の隣にある【結良】の表札を横目で見ながら俺は、大きく一歩踏み出した。
『ご無沙汰してました!柚木さん!』
ドラマや漫画などでよく見る風景が目の前に広がる。
組の下っ端連中が、俺に頭を下げながらきれいに玄関までの道を作っていた。
俺は、別に組に何ら関係もないからしなくていいとこの前言ったはず・・・。
柚木は、俺の名字。
【柚木瑠唯華(ゆずきるいか)】
それが俺の本名である。