総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
ちなみにこの組は、ヒサの実家である。
ヒサの実家は、結良組というまぁ、ヤクザである。
ヒサはそこの長男。
ヒサの下にも2人ほど兄弟がいる。
「ルイさんだ、いらっしゃい。」
玄関まで着くと、次男のコウがいた。
どうやら玄関を掃除していたらしく、神社の神主さんが持っていそうなホウキを両手で握っていた。
「マサ、ルイさんがいらしたよ。」
コウは俺に一礼してから、玄関からもう1人の弟の名を呼んだ。
「ほんとら、ルイさん。いらったい。」
まだ、うまく回らない舌でかわいくお辞儀をするマサ。
まだ、5歳らしい。
いつも、ここに来るたび緊張しているがマサと会うことでいつも癒される。