総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
親父さんがため息をつき閉められた襖を見る。
「いえ。連れてこなかった俺にも責任があるので。」
やっと、自然に出た笑み。
「それで、現状はどうなってる。30字以内で話せ。」
「無理ですよ。」
簡潔に話せ、ならまだしもできるわけないでしょ。
「実にからかいがいのない奴だ。」
「そういうとこ、無駄に息子さんとそっくりですね。」
天然が少し混じったようなところも、唸るような声も妖艶なその顔つきもそっくりだな。
シワも大してないし、ヒサと2人並んで歩いても兄弟にしか見えないだろう。
「30字以内は無理ですけど、出来るだけ簡潔に話します。」
俺の一言に、さっきの和やかな雰囲気は消え去った。