赤色の恋 <短編>
『そうなんすかー。ははー笑』
そう言って、中村は消え去った。
『さっきのこと、あんま気にすんなよ?』
そっか。さっきの井上が言ったことかぁ。本心なんかなぁ…?
『えっ。なにが?』
あたしは、わかっててわかってないふりをした。
『だから、さっき、俺が言ったことば。あいつにはそう言っただけやから。』
じゃあ、本心じゃないんや。
よかった…。
本当はどう思ってるか知りたいけど、今日のとこはやめとこかなぁ。