【完】こいかたおもい。Ⅰ
カフェに入ってからは、ほとんど明菜ちゃんが椎名くんと同じクラスの湊くんに聞いて、椎名くんがやめろよ、みたいに言っててなんというか、居場所がない。
会話に入っていけない。
なんでこんくらいのことで落ち込んでるんだろう。
こんなの前の私ならたくさんあったじゃん。
「瀬川さん、大丈夫?」
隣に座っている湊くんが気にかけてくれた。
「ずっとうつむいてるし、気分悪くなっちゃった?」
「ねぇ、湊くん!!」
湊くんの声のあとに明菜ちゃんがしゃべった。
「なんでえーっと、祐亜ちゃん?のこと苗字で呼んでるの?」
「え?」
「だって2人ともつきあってるんでしょ?」
妙にワクワクした表情で聞いてくる。