【完】こいかたおもい。Ⅰ
「そうだったんだ…。つきあってると思っちゃったよ」
もう、全部話しちゃおう。
「椎名くん…」
「何?」
「…好きです」
言ったあとの椎名くんの顔は変だった。
そして私は今までのことを全部話した。
「あ、ありがとう…」
「うん」
「でも…彼女いるから…ごめんなさい」
「知ってる。
でも、振ってくれてよかった。
ほんとはね、まだまだ片想い続けるつもりだったんだけど、どうしても言いたくなっちゃったんだ。
これからも友達としてはいてくれるかな?」
「そ、そんなのもちろんだよ!」
焦ったように椎名くんが言った。
「ありがとう。
気分悪いの良くなっちゃった。
帰るね」
「あ、俺送ろうか?」
どこまでも優しいんだ、椎名くんは。
「はは。一応振った男と振られた女だよ?今日くらいそっとしておいて」
「あ、ごめん…」
「全然いいよ!また月曜にね!」
笑って公園を去った。
不思議と涙は出なかった。
こうして私の片想い生活が終わった。