【完】こいかたおもい。Ⅰ
湊くんは悩んだあげく、
さっきと同じことをしてくれた。
さっきより強く、長く。
湊くんのにおい、ぬくもり、忘れないようにしたい。
そう思い、ずっとずっとぎゅーっとしていた。
よく考えたら家の前で、仕事が早めに終わった両親が帰ってくるかも、とか思う暇もなかったみたい。
そして湊くんが最後に一言。
「今までありがとう。大好きだったよ。ー祐亜」
そう告げて帰っていった。
ずるい。最後に呼び捨てとかっ…。