【完】こいかたおもい。Ⅰ
少女漫画のようにかっこいい男子とぶつかったわけではなく。
電柱にぶつかった。
「いてて・・・」
本当は、「いてて・・・」じゃすまないほどの激痛が走った。
涙目になりながらも、散らばった荷物をかばんの中へ入れる。
早く行かなきゃ!!
それからまた、全速力で走った。
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「・・・ふぅ、間に合った」
教室の端っこの席で1人つぶやく。
本当に間に合って良かった。
絶えない汗をタオルでふ・・・
タオル忘れた・・・。
もう最悪!
本当は占い、9位じゃなくて12位なんじゃないの??
ふと、近くの席の女子たちが話しているのが聞こえた。
「ねえねえ聞いたー?隣のクラスに転入生くるらしいよー」
「えっ!本当に?女子?男子?」
「わからないけど・・・男子だったらいいね!」
「確かにー!」