私の刑事さん
でも、海斗さんは余裕たっぷりの笑顔だった。
「暴力はんたーい」
海斗さん!?
海斗さんは私を抱き寄せると男たちになにかを見せた。
「お前ら5人、ワイセツ行為の疑いにより逮捕する」
逮捕!?
「はぁ?……ってやべぇ!!こいつ刑事じゃねぇか!!」
「行くぞ!!」
刑事!?
男は真っ青になって逃げて行った。
刑事って……海斗さんが!!
「…ハー……ってこのバカ!!」
「やっ!!」
私は海斗さんの拳骨をくらってしまった。
「「や」じゃねぇよ!!お前バカだろ!!何してんだよ!!こんな時間に!!」
「……ごめんなさい……」
私はなんで怒られてるのか分からなかった。
この時間に何かしたらいけないのか?
「マジ……心配させんな……」
海斗さんは顔を押さえながら地面にしゃがみこんだ。
「大丈夫ですか!?」
「お前のせいだろうが!!」
私のせい…
私のせいで海斗さんに迷惑をかけてしまった…
やっぱりここにいたらダメだ。
私は走り出した。
「待てって!」