私の刑事さん
町中を歩くのは本当に苦手だ。
私は迷わないように必死に海斗さんの後ろ姿を追いかけた。
「…」
さっきから町の人の視線が痛い…
女の人達はみんな海斗さんを見てる。
そりゃそうだ。こんなにかっこいい人がいたら私だって見てしまう。
海斗さんは
背が高くて
ガッシリした体にこんがり焼けた肌
顔も整ってて少し茶色がかった髪
どこをとっても文句なしにかっこいい。
「どうした?」
でも、女の人達も男の人達も、私を見てくる。
海斗さんとは違う目
“汚い子”
私はその場に立ちすくんだ。
「…怖い…」
みんなの目が怖い…
殺される…
逃げなきゃ…
私みたいな汚い子がいたらダメだ…
「美奈」
海斗さんが優しく私の手を握った。
「大丈夫、俺がいるから」
「…」
私は頷くことしかできなかった。