私の刑事さん
「仕事で?」
「そうだよ…俺が刑事になったばっかりの時だ」
海斗さんはソファーに座って煙草を吸い始めた。
「座れよ」
「はい」
海斗さんの目がすごく寂しそう…
「後一歩の所だった…先輩と二人で犯人を追ってたんだ…隙ができて先輩が犯人に掴みかかろうとしたとき、犯人が拳銃を持ってたんだ。目の前で先輩が撃たれて、俺は犯人を殺してやりたくて犯人に掴みかかったんだそしたらもう一人の犯人に刺されたんだ…」
「……」
「あんときはすげぇ自分が憎くて、先輩には3歳になる娘さんがいたんだ。だから尚更自分が憎くて俺が死ねば良かったんだ。って考えてた」
同じだ…
私も秀ちゃんが生きて
私が死ねば良かったんだ
って思う。
「けど、それじゃダメなんだよ…」
「…え…」
「先輩の分まで精一杯生きなきゃダメなんだよ」
海斗さん…
「俺は、先輩が捕まえれなかった奴ら全員捕まえて死刑台に送り込んでやるのが刑事としての目標なんだ」
本当に、どこまでかっこいい人なんだろう…
この人の恋人になれた人は幸せだろうな。
「無理しちゃ、ダメです…」