もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
優衣が立ち上がると、大谷も立ち上がった。


「俺も降りる」


「えっ、だって、大谷んちまだ先でしょ!?」


「ここからなら歩いて帰れっから、家まで送ってくよ」


「そこまで責任感じなくても……、大丈夫だから」


優衣の言葉はスルーされ、結局、大谷は一緒にバスを降りた。


静まり返ったバス停には、もう終わってしまったラベンダーの香りだけが漂っている。


「うわっ、ほんとに誰も居ないだぁ〜」


「だろー」


ラベンダー畑の真ん中の道を、2人は並んで歩く。
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