もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「大谷っ、今日はいろいろとありがとう」


「いいってことよ! まっ、宿題でも見せてもらおっかな」


眠たそうにあくびをする大谷。


「いいよ」


「まじで!? 早川優衣、話せるじゃん」


優衣の手を両手で握って、おおげさに喜ぶ大谷。


目の前に見えてきた家の前には、人影らしきものが……。


2人に気付いた母親が、不思議そうに様子を伺っている。


「あっ、お母さん! 店長に頼まれて、大谷が送ってきてくれたの」


「こんばんは」


「あらっ、どうもありがとう。だけど、もうバスないんじゃ……。あっ、送っていくわね」


「あっ、大丈夫です! 走って帰るんで……。じゃっ、失礼します」


走り去る大谷を、嬉しそうに見送る母親。


(ちょっと、お母さん! 勘違いしないでよーっ)
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