もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「ふぅ〜」


早くなる鼓動を抑え、急いで待合所の外に出る。


思った通り、白のライトバンが停まっていた。


しかも、恐ろしいことに、スッピンのまま髪を一つに束ね鬼のような形相をした母親が、運転席から睨み付けている。


「お、お母さん!?」


得意のスマイルで、車に近付いていく優衣。


「早く乗りなさい!」


「はぁい」


急いで助手席に乗り込むと、母親は勢いよく車を発進させた。


「お母さん、今ねぇ」


「全く、責任感がないんだから!」


(彼女はマグマを溜め込んでいる……。この状況で先ほどのファンタスティックな話をしたら……、間違いなく噴火するであろう)


優衣は興奮をクールダウンさせ、おとなしくシートベルトを閉めて窓を開けた。


紫色の風が、心地いい……。
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