もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
暫くすると、手芸用品の入っている籐の籠を下げて戻ってきた。


籠の中から白い毛糸と棒針を取り出して、黙々と何かを編み始めている。


書き物をしていたおじさんの手は止まり、


その行動を興味深く観察し始めた。


『何してるんダイ?』


「編み物……」


『アミモノって……。アーッ、女子の想いが入ッテルとか言う手作りのあれカイ!?』


「………………」


『ドーセ、オータニへのプレゼントか何かデショ!?』


笑いを堪えながら、おじさんの頭を真剣に見つめる優衣。


おじさんはチラチラと気にしながら、また書き物を始めた。
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