もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
『……アハハッ、ソレはいったい何ナンダイ!? ゴミクソみたいダケド』


編み物から目が離せないおじさんは、バカにするように笑いだした。


「ひっどーい」


それでも優衣は、編み続ける。


おじさんはもう、その編み物が気になって仕方ない。


『ハァーッ……、何だか不愉快ダナァ』


仕事を投げだして、寝転がった。


優衣は気にせず、夢中になって編んでいる。


そのうちおじさんは、眠りに就いてしまった。


外では雪がしんしんと降り積もり……、


静かな暖かい空気の中で、おじさんの寝息と毛糸の擦れるかすかな音だけが聞こえている。


とても心地いい、穏やかな時間……。
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