もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「大佐は、“自分が囮(おとり)になる。その時こそが退却すべき時!”だと……」


唇を噛み締める青年。


他の青年が進み出る。


「我々も、最後までお供させて頂きたいと申し出たのですが……、“一人たりとも欠くことなく生きるべし! 皆で生きる! これが私の最後の指令である”そう命じ、ウッ……、見事、戦地に散りましたっ。ウゥーッ、ウッ……」


「大佐は我々の恩人であります、ウォーッ、オーッ……」


青年達は一斉に、声を上げて泣きだした。


(散りましたって……、死んじゃったってこと? 大谷は、もう帰ってこないの)
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