もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
夫が戦死したというのに、そこに居る優衣は涙1つこぼさず、微笑みすら浮かべている。


「あの人らしい、最期(さいご)だったのですね……」


「はっ、はいっ! それはもう、大佐は最期まで勇ましく、ウゥッ……」


更に激しく泣き叫ぶ。


「お疲れのところ知らせを届けて下さり、心よりお礼申し上げます。私(わたくし)は、あの人と夫婦(めおと)になれたことを誇りに強く生きてまいります!」


(なんでそんなこと言えるの! この人達は大谷を見捨てて、自分達だけ帰ってきちゃったんだよ)


残酷過ぎる結末に、優衣の胸は苦しくなる。
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