もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「申し訳ありません!」
「お許し下さいっ!」
「自分達だけ生き延び、恥ずかしい限りであります!」


泣きながら優衣に詫びる青年達。


そこに居る優衣は、首を横に振りながら背筋をピンと伸ばすと、笑顔で言った。


「今あるお命を、どうか大切になさって下さい! 一刻も早く、ご家族の元へ」


そして、深々と一礼する。


(そっか……。あの大谷は自分の命を懸けて、この人達の命を守ったんだね……。大切な仲間の命を家族の元へ返す為に……)


青年達が、一斉に敬礼をする。


肩を震わせながら振り返ると、大谷と優衣の想いを胸に、それぞれの郷里へと帰っていった……。
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