もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
優衣の声が赤い空に響き渡ると、右端を歩いていたおじさんは立ち止まり、真っ赤な目をして振り返った。


笑おうとする優衣の瞳からは、涙がこぼれ落ちる。


優衣は泣きながら、思いっきり手を振った。


おじさんも涙を拭いながら、手を振っている。


『ユイーーーッ! 幸せになるんダヨーッ』


朝の太陽が眩しい光の矢を放ちながら燦然(さんぜん)と輝いた時、3人の妖精達は遥か遠くに消え、優衣はおじさんの記憶を全て失った……。


まるで眠りに就くかのように、その場に倒れ込む優衣。
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