もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

感動の景色に背を向け、再び足を掛けて１段１段上がっていく。


階段を上りきったところで、優衣は思わず息を呑んだ。


その先に続く廊下の入り口に、見知らぬ男が立っている。


（だ、誰？ なんなの！）


心で激しく叫び、ゆっくりと視線を合わせてみる……。


父親の年齢ぐらいであろうか？


その男は、たっぷりとした和服をきちんと着こなし、硬直する優衣に上品な笑顔を向けている。


『私が案内いたします。どうぞこちらへ』


心地よく耳に届く声で、更に奥へ誘導しようとしている。


（もしかして、ここの案内人？）


親しみやすい風貌に、優衣は少しホッとした。


そっと頷いて、案内人のあとに付いていく。


恐怖と好奇が葛藤する複雑な心境を隠し、薄暗い重厚な廊下を歩いていく。


突き当たりの部屋の前で、案内人は振り返った。