もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
『覗いてごらんなさい』


そう言って、場所を譲るように1歩下がった。


頑丈そうな木材で造られた扉には、やはり小さな窓がある。


優衣は恐る恐る近付いていき、その部屋の中を覗いてみた。


「……まじ‼︎」


そこには信じられない光景が……。


一瞬、自分の目を疑った優衣は、騒ぐ心を落ち着かせながらもう一度確認してみる。


「やばい、嘘でしょ!?」


その部屋の中には、映像や写真でしか見たことのない日本の軍人達が存在していた。


資料館や歴史館に展示してある軍服を着た男達が数十人は居る。縦に長い机を囲み、それぞれに険しい表情を浮かべている。


(これは……、まさかまさかの戦略会議!???)


生々しく目に映る景色に凍り付く優衣。恐怖心が極限に達する……。


(怖いっ、怖過ぎる!!)


「あっ、えっと……」


強張った顔で、もう限界だと案内人に泣きつこうとした。


けれども同時に、この先が気になるという好奇心も膨れ上がってくる。


(恐怖を感じてたら、この案内人は消えちゃうかも?)


なんとなくそう感じた。
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