もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
冷静を装いながらチラッと横を見ると、案内人はわざとらしく視線を逸らした。なんとなく顔が笑っている。


「はっ!?」


納得はいかないが、そんなことを気にしている状況ではない。優衣はすぐに、意識を扉の向こうに戻した。


(やっぱり、この人達もこれから戦争に行くのかなぁ……。第一次世界大戦!? それとも第二次!? 全く違う戦争かもしれないし……。あ〜っ、歴史苦手だったからなぁ。いったい、今っていつなの?)


ブツブツと呟きながら、その軍人達の顔を1人1人まじまじと見る……。


ごく普通の若者達だ。


優衣の中で、この日本の軍服は、とてもおどろおどろしいイメージになっている。


けれども、それを着ているのはとても爽やかな青年達だ。


しかも、そこに居るもう1人の優衣は、この人達を知っているらしい。


極限に達していた恐怖心も、次第に薄れていく。
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