もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
湿った土の匂いに達成感を味わいながら、重いホースを片付けて……、


涼しげに正門を出る。


「じゃあねっ、お疲れ様」


「お疲れ様でした!」


反対方向に歩いていく後輩の2人に手を振りながら、携帯を取り出して時間を確認する。


「わっ、急がなきゃ!」


走りだそうとしたその時、


背後から、誰かに肩を叩かれた。


「よっ! これからバイト!?」


「あっ、うん。大谷もっ!?」


Mバーガーまでの道を、2人で急ぐ……。


「……早川優衣は、明日も水撒き?」


「今週は毎日だけど」


「へぇ〜っ、ご苦労な話だねーっ」


「どういう意味っ!?」


「誉めてんじゃん。えらい、えらい」


そう言いながら大谷は、優衣の頭をポンポンと優しく撫でた。


「えっ……」


自分でも、顔が赤くなっていくのが分かる。


(まずいっ! 不覚にも、大谷に動揺してしまった……)
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