もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
会議が終わったのか、緊迫していた空気が一気に緩んだ。


使われていた地図のようなものは片付けられ、青年達がザワザワと扉に向かって歩いてくる……。


いつの間にか、優衣の中にあった恐怖心は全て消え、


気が付くと、隣りに居た案内人も消えていた。


ギギギ、ギーッと耳障りな音を立て、扉が開かれる。


優衣に気付いた青年達が、丁寧に会釈をしてから通り過ぎていった。


「あっ、どーも」


一応、優衣も会釈をして応える。


そして最後に、大谷にそっくりなその人が……。


先程までの険しい表情から一転し、優しい眼差しで優衣を見つめている。


(まじですか!?)


ありえない状況に戸惑う優衣。


「少し、歩きましょう」


そう言って、大谷と同じ無邪気な笑顔を優衣に向けた。


優衣の心臓が、ドキッドキッと意識を持ち始める。


「はい」と頷いて、嬉しそうにその人のあとに付いていく。


薄暗い廊下を戻り、あの梯子のような階段を下りて、外へと繋がる引き戸の前に来た。


そして、その人がその引き戸に手を掛けた次の瞬間!
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