銀棺の一角獣
こうして平和なままに旅は続けられた。フォークレーア神殿までのおよそ十日。天気にも恵まれた。
「……お待ちしておりました」
神殿の前に出て待っていたのは、カレンと同じように白と黒の神官服を身につけている男だった。腰に巻いたベルトに銀の一角獣の飾りがついているのもカレンと変わらない。何もつけていないカレンとは違って、首から金の首飾りを三本下げていた。
カレンより年輩で、老人といっていい年齢だ。髪も豊かな髭も灰色だったが、背はピンと伸びていて受ける雰囲気はわかわかしい。
「あなたは?」
「神官長のスウェインと申します」
スウェインはアルティナに手を差し出した。アルティナは喪服の裾を翻して彼へと歩み寄る。
「……王族として受け継ぐべきものは全て教えてもらえるのかしら?」
「――全てお教えいたします」
スウェインは、アルティナの手を取る。
「……お待ちしておりました」
神殿の前に出て待っていたのは、カレンと同じように白と黒の神官服を身につけている男だった。腰に巻いたベルトに銀の一角獣の飾りがついているのもカレンと変わらない。何もつけていないカレンとは違って、首から金の首飾りを三本下げていた。
カレンより年輩で、老人といっていい年齢だ。髪も豊かな髭も灰色だったが、背はピンと伸びていて受ける雰囲気はわかわかしい。
「あなたは?」
「神官長のスウェインと申します」
スウェインはアルティナに手を差し出した。アルティナは喪服の裾を翻して彼へと歩み寄る。
「……王族として受け継ぐべきものは全て教えてもらえるのかしら?」
「――全てお教えいたします」
スウェインは、アルティナの手を取る。