銀棺の一角獣
初めての対決
 スウェインがアルティナを連れて戻った部屋には、キーランとケイシーがいた。キーランは部屋の中央に置かれたソファに腰をかけ、ケイシーは部屋の隅にひっそりと腰をかけていた。


「アルティナ様! もう終わったのですか?」


 キーランより先にケイシーが椅子から飛び上がるようにしてアルティナの側に駆け寄る。


「……ええ、もう終わったわ」


 先を越された形になったキーランは、苦笑いしながら立ち上がった。


「今日は神殿で休むことになったよ。今から出発してもたいして進めないしね。皆の分部屋を用意してもらえることになったから」

「……ありがとうございます」


 ケイシーがばたばたと部屋の中を動き回って、アルティナのために席を用意した。キーランの手を取ってアルティナをソファまで導き、二人は向かい合って腰を下ろす。


「どうだった?」


 ケイシーがお茶を取りに行っている間にキーランは口を開いた。


「……怖かった」


 ぽつりとアルティナは口を開いた。
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