銀棺の一角獣
「強力な魔物に乗っ取られたライオール様の身体には大きな負担がかかっている――まだ、魔物は完全に復活したわけではないから、この世にとどまるためには人の身体が必要なの」
「僕が、器? 兄上ではなく?」
不思議そうにキーランは首をかしげる。彼には兄が二人いるが、細身で剣は不得手な彼と違って二人とも強い。魔物の器になるのなら、二人いる兄のどちらかの方が適しているのではないかと彼には思えた。
「ええ。キーラン様、あなたが次の器です。あなたの肉体が、魔物には一番適している――だからあなたもあの場から逃がす必要があったんです」
あのままキーランをとどめておけば、きっと近いうちに彼は魔物に乗っ取られていた。そうなれば、魔物はよりいっそう力を強めることになる。
代々受け継いできた記憶の中からそれに気づいたアルティナは、とっさにキーランも連れ出したのだった。
「僕が、器? 兄上ではなく?」
不思議そうにキーランは首をかしげる。彼には兄が二人いるが、細身で剣は不得手な彼と違って二人とも強い。魔物の器になるのなら、二人いる兄のどちらかの方が適しているのではないかと彼には思えた。
「ええ。キーラン様、あなたが次の器です。あなたの肉体が、魔物には一番適している――だからあなたもあの場から逃がす必要があったんです」
あのままキーランをとどめておけば、きっと近いうちに彼は魔物に乗っ取られていた。そうなれば、魔物はよりいっそう力を強めることになる。
代々受け継いできた記憶の中からそれに気づいたアルティナは、とっさにキーランも連れ出したのだった。