銀棺の一角獣
帰りついた都
都に戻るまでの旅の間、ルドヴィクはアルティナとキーランを主として扱った。野営の時、彼は二人を待たせておいて水をくみ、火をたく。そうして途中で買い求めた携帯用の食料を温めて先に二人に食べさせる。
彼自身はと言えば、率先して夜間の見張りに立ち、立っている間にそそくさと食事をすませているようだった。
「皆、無事に逃げられたかしら……」
それまでに何度も繰り返した問いをアルティナはもう一度口にする。
「ケイシーも心配だわ。ひどい扱いを受けていなければいいのだけれど」
とっさに連れ出すことができたのはキーランまでだった。混乱の中、ケイシーまで連れてくる余裕はなかった。
彼女はただの侍女でしかないから、キーランと比較すれば彼女の身に危険がせまる可能性は低いと言えば低い。
「アルティナ様のお世話をしていた女性ですか?」
火をたきつけたルドヴィクは、拾ってきた薪を火にくべて立ち上がる。
彼自身はと言えば、率先して夜間の見張りに立ち、立っている間にそそくさと食事をすませているようだった。
「皆、無事に逃げられたかしら……」
それまでに何度も繰り返した問いをアルティナはもう一度口にする。
「ケイシーも心配だわ。ひどい扱いを受けていなければいいのだけれど」
とっさに連れ出すことができたのはキーランまでだった。混乱の中、ケイシーまで連れてくる余裕はなかった。
彼女はただの侍女でしかないから、キーランと比較すれば彼女の身に危険がせまる可能性は低いと言えば低い。
「アルティナ様のお世話をしていた女性ですか?」
火をたきつけたルドヴィクは、拾ってきた薪を火にくべて立ち上がる。