銀棺の一角獣
キーランとの別れ
アルティナは、あらかじめ神殿に使者を出しておいた。呼ばれてきた神官長ジャファールは、老人といっていい年齢の男だった。彼の髪も髭も真っ白だったが、背はまっすぐに伸びていて彼を年齢不詳に見せている。
黒と白を基調にした神官服。腰には茶のベルトをして、そこには銀の一角獣が彫り込まれた飾りがついているのはスウェインやカレンと変わらなかった。
「お久しぶりでございます――女王陛下」
丁寧に頭を下げた彼をアルティナは立たせる。
「全てを知ったわ、ジャファール」
アルティナはこわばったままの表情で神官を見つめる。神官は再び丁寧に頭を下げた。
「一角獣についての伝承を受け継がねばならないと、教えてくれればよかったのに」
「申し訳ございません。そのことについては、わたしたちはお教えすることができないのです。全てはフォークレーア神殿で知識を受け継いでからのことなのです」
ライオールは、アルティナが全てを知る前にティレルを飲み込みたかったのだろう。
ティレルが完全に復活する前ならば、彼を飲み込み、彼の力を得ることだってできたかもしれない。
黒と白を基調にした神官服。腰には茶のベルトをして、そこには銀の一角獣が彫り込まれた飾りがついているのはスウェインやカレンと変わらなかった。
「お久しぶりでございます――女王陛下」
丁寧に頭を下げた彼をアルティナは立たせる。
「全てを知ったわ、ジャファール」
アルティナはこわばったままの表情で神官を見つめる。神官は再び丁寧に頭を下げた。
「一角獣についての伝承を受け継がねばならないと、教えてくれればよかったのに」
「申し訳ございません。そのことについては、わたしたちはお教えすることができないのです。全てはフォークレーア神殿で知識を受け継いでからのことなのです」
ライオールは、アルティナが全てを知る前にティレルを飲み込みたかったのだろう。
ティレルが完全に復活する前ならば、彼を飲み込み、彼の力を得ることだってできたかもしれない。