銀棺の一角獣
ルドヴィクと二人
「ルドヴィク……!」
矢が頭に刺さらないよう身を低くして、アルティナは彼の名を呼んだ。しばらく馬を走らせると、やがて矢は届かなくなる。
「こちらの被害はどうだ?」
「ありません。村人の方は何人か――」
馬を寄せてきたルドヴィクは、ミラールに報告をすませるとまた後方へと戻っていく。
暗闇の中、一行はひたすらに先を急いだ。アルティナは、全てティレルに任せている。
「……ティレル殿!」
先頭を走っていたミラールが振り返って、ティレルを呼んだ。
「……先に兵士がいるようです。道を変更してもよろしゅうございますか」
「かまわん。行ってくれ」
「マドレル、セサル! 先を見てこい」
「かしこまりました!」
「行ってきます!」
ミラールは物陰に馬を止め、マドレルとセサルの二人に先を行かせる。二人は馬を残して、足音を立てないように先の様子をうかがいに行った。
矢が頭に刺さらないよう身を低くして、アルティナは彼の名を呼んだ。しばらく馬を走らせると、やがて矢は届かなくなる。
「こちらの被害はどうだ?」
「ありません。村人の方は何人か――」
馬を寄せてきたルドヴィクは、ミラールに報告をすませるとまた後方へと戻っていく。
暗闇の中、一行はひたすらに先を急いだ。アルティナは、全てティレルに任せている。
「……ティレル殿!」
先頭を走っていたミラールが振り返って、ティレルを呼んだ。
「……先に兵士がいるようです。道を変更してもよろしゅうございますか」
「かまわん。行ってくれ」
「マドレル、セサル! 先を見てこい」
「かしこまりました!」
「行ってきます!」
ミラールは物陰に馬を止め、マドレルとセサルの二人に先を行かせる。二人は馬を残して、足音を立てないように先の様子をうかがいに行った。