銀棺の一角獣
道中の宿泊所は、貴族の邸宅を借り受けることになっていた。先方がつきつけてきた要望はここまで届いているらしい。
この屋敷の主夫婦も、王族を屋敷に迎えたという事実以上に、アルティナに同情しているようだった。そして、何もできない自分たちを恥じているようでもあった。
彼らが心をこめて用意してくれた夕食も砂を噛んでいるようだった。アルティナは何とかそれを流し込んで席を立つ。
「早めに……休みたいと思います。明日も早朝に発たなければなりませんから」
そう言って、湯殿の用意だけを頼むとすぐに屋敷の侍女が呼び出された。
道中のことは一人でできるようにしてきたのに、湯殿の用意をした彼女は、アルティナが喪服を脱ぐのを手伝い、湯殿での世話をし、と細やかに世話を焼いてくれた。
明日の朝、また来ると言い残して侍女は下がっていく。
この屋敷の主夫婦も、王族を屋敷に迎えたという事実以上に、アルティナに同情しているようだった。そして、何もできない自分たちを恥じているようでもあった。
彼らが心をこめて用意してくれた夕食も砂を噛んでいるようだった。アルティナは何とかそれを流し込んで席を立つ。
「早めに……休みたいと思います。明日も早朝に発たなければなりませんから」
そう言って、湯殿の用意だけを頼むとすぐに屋敷の侍女が呼び出された。
道中のことは一人でできるようにしてきたのに、湯殿の用意をした彼女は、アルティナが喪服を脱ぐのを手伝い、湯殿での世話をし、と細やかに世話を焼いてくれた。
明日の朝、また来ると言い残して侍女は下がっていく。