銀棺の一角獣
「……お加減はいかがですか? キーラン殿下」
「キツイね。思っていたより――キツイ」
身体を鎖で巻かれたまま、キーランは寝台の上でもがく。ジャファールが手を貸して、彼は起き上がった。そしてジャファールの手に、彼は握りしめていた短剣を押しつけた。
「……自分の心が黒く染まっていくのが見えるような気がするよ」
声に疲労感が如実にあらわれているとキーランは思った。
「申し訳ございません」
ジャファールは丁寧に頭を下げる。
「いや、それはいいんだ。これで父上をお救いすることができるならね」
汗をかいているキーランの身体には、白の装束がべたべたと張り付いている。
「『魂鎮の儀』――か」
ジャファールが鎖を解くのを眺めながら、キーランはつぶやく。
「本当、思っていたよりキツイよ。アルティナたちが早く戻ってくれることを期待しなくちゃ」
「キツイね。思っていたより――キツイ」
身体を鎖で巻かれたまま、キーランは寝台の上でもがく。ジャファールが手を貸して、彼は起き上がった。そしてジャファールの手に、彼は握りしめていた短剣を押しつけた。
「……自分の心が黒く染まっていくのが見えるような気がするよ」
声に疲労感が如実にあらわれているとキーランは思った。
「申し訳ございません」
ジャファールは丁寧に頭を下げる。
「いや、それはいいんだ。これで父上をお救いすることができるならね」
汗をかいているキーランの身体には、白の装束がべたべたと張り付いている。
「『魂鎮の儀』――か」
ジャファールが鎖を解くのを眺めながら、キーランはつぶやく。
「本当、思っていたよりキツイよ。アルティナたちが早く戻ってくれることを期待しなくちゃ」