銀棺の一角獣
気がついた時には、妖精たちはアルティナを取り囲んでいた。ティレルと同じ色のアルティナの髪が気に入ったらしく四方八方から引っ張られてアルティナは悲鳴をあげる。
「腰の紐を作るんだよ! よこせ! よこせ!」
「ちょっと! ティレル! 何とか言ってやってちょうだい!」
「お前らいい加減にしろ!」
ティレルが一括するとわぁっと声を上げて妖精たちは散っていく。
「悪いな、あいつら――まあ、子どもみたいなものだ」
「それはかまわないけれど。わたしの髪が欲しいの?」
「きらきらしてて綺麗に見えるんだろう」
「ちょっと待って」
アルティナは足を止めた。それから腰につけていた短剣で髪を一握り切る。
「ほら、ここに置いておくから好きになさい。これからわたしとティレルは仕事があるから近づいちゃダメよ」
わあっと寄ってきた妖精たちにアルティナの声はかき消されてしまった。
「腰の紐を作るんだよ! よこせ! よこせ!」
「ちょっと! ティレル! 何とか言ってやってちょうだい!」
「お前らいい加減にしろ!」
ティレルが一括するとわぁっと声を上げて妖精たちは散っていく。
「悪いな、あいつら――まあ、子どもみたいなものだ」
「それはかまわないけれど。わたしの髪が欲しいの?」
「きらきらしてて綺麗に見えるんだろう」
「ちょっと待って」
アルティナは足を止めた。それから腰につけていた短剣で髪を一握り切る。
「ほら、ここに置いておくから好きになさい。これからわたしとティレルは仕事があるから近づいちゃダメよ」
わあっと寄ってきた妖精たちにアルティナの声はかき消されてしまった。