銀棺の一角獣
「その剣は、昔俺の仲間が妖精達と作り上げたものだ。その剣によって一度命を失うことになるが、その後仲間達の力を借りて再生する――」

「再生?」

「不死鳥の伝説は知っているだろう? 炎の中から幼鳥の姿になって再生するという鳥だ。まあ――ここ何千年かはこのあたりにはいないようだがな」

「……ティレルも若返るってこと?」

「わかりやすく言えば、そういうことだ。記憶を保ったまま、再生する――失った角も元の通りになる。ということは……わかるな?」

「ええ……でも、なぜわたしなの? だって、剣を使うのならルドヴィクの方がずっと慣れているのに」


 アルティナは手にした剣に視線を落とす。柄の部分は銀でできていた。アルティナはそれを見つめる。そこには美しい紫水晶がはめ込まれている。アルティナの瞳がよく例えられているような。

 こんなにずしりとした剣を扱う自信なんてなかった。
< 213 / 381 >

この作品をシェア

pagetop