銀棺の一角獣
「お前でなければ、だめなんだ。ライディーア王家の血を引き、純血の乙女でなければ、俺の再生は不可能だ」

「……なぜ、ライディーア王家の血を引く者でなければならないの?」

「それは――かつて俺を呼びだしたのが、お前の祖先だったからさ。だからこそ、俺が逃げ込むための銀の箱を用意することができた。俺はお前の祖先に俺の血を与えている。だから、お前でなければならないんだ」


 アルティナは、手の中の剣を見つめる。


「ねえ、ティレル。一つ教えてもらってもいいかしら?」

「何だ?」

「なぜ、あなたはわたし達に力を貸してくれるの? あなたにとって、何かいいことがあるのかしら?」


 アルティナは、剣を胸に抱きしめるようにしてたずねた。


「それはだな――。あいつは、もともとはこの森の住人だった、というだけのことだ。あの妖精達の王だった」

「……妖精の王?」


 人を操り、魂を喰らう魔物の正体がこの森に住んでいた妖精だったとは――
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