銀棺の一角獣
都への帰還
ルドヴィクが、近くの村まで行き、分けてもらってきたのは黒く大きな布だった。それをティレルにかぶせて目立たないようにし、アルティナとルドヴィクはすっぽりとマントをかぶって身体を隠す。
都への侵入は、暗くなってからひっそりと行われた。ティレルは足音を殺して、兵士達のいる場所へと近づく。
「行くぞ!」
小さな声で言うと、ティレルは大きく走り出した。彼の存在に気がついた兵士達が騒ぎ始めるが、もう間に合わない。
「しっかり掴まっておけ!」
言われるまでもなく、アルティナはティレルにしがみついていた。鞍にしがみつき、両足で必死に彼の身体をしめつけ――後ろから支えてくれるルドヴィクの腕もアルティナを安心させてくれる。
背後からぱらぱらと矢が飛んでくるが、それもティレルを捉えるにはいたらなかった。
都の周囲を取り囲む壁のところまでたどりつくと、ティレルは大きく跳躍した。アルティナの顔の周りを風が吹きすぎていく。
都への侵入は、暗くなってからひっそりと行われた。ティレルは足音を殺して、兵士達のいる場所へと近づく。
「行くぞ!」
小さな声で言うと、ティレルは大きく走り出した。彼の存在に気がついた兵士達が騒ぎ始めるが、もう間に合わない。
「しっかり掴まっておけ!」
言われるまでもなく、アルティナはティレルにしがみついていた。鞍にしがみつき、両足で必死に彼の身体をしめつけ――後ろから支えてくれるルドヴィクの腕もアルティナを安心させてくれる。
背後からぱらぱらと矢が飛んでくるが、それもティレルを捉えるにはいたらなかった。
都の周囲を取り囲む壁のところまでたどりつくと、ティレルは大きく跳躍した。アルティナの顔の周りを風が吹きすぎていく。