銀棺の一角獣
　兵士達は、アルティナの言葉に皆感銘を受けたようだった。歓喜の声を背に受け、アルティナは王宮に向かって歩き始める。

　都の中に住む人たちが、アルティナとルドヴィクの後にしたがって王宮へと向かう。


「アルティナ様！　よくご無事で！」


　宰相のデインが王宮から走り出てアルティナを迎えに来た。臣下の分を越えてアルティナを抱きしめる。


「本当に――よくご無事で――！」


　しばらく会わない間に、彼はずいぶん老けたようだった。


「ティレル殿も、ありがとうございました」


　丁寧にティレルに頭を下げた。それからルドヴィクをよくやったと労って王宮へと招き入れようとした。


「無事をデインに確認させたところで、すぐに神殿に向かう――アルティナ、ついてこい。ルドヴィクはもういいぞ」

「お供します。都とは言え、アルティナ様をお一人で行動させるわけには」


　ティレルに連れられて、アルティナ達は神殿へと向かった。
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