銀棺の一角獣
戦支度
その日は、戦の支度に費やされた。アルティナはゆっくりと湯浴みをし、宮殿の奥の部屋に入った。かつて、銀の棺が置かれていた部屋。その部屋の中央に立って瞳を閉じる。
かつて、ティレルがいたこの部屋――アルティナの代々の先祖がこの部屋で一角獣を守ってきた。
自分たちのために力を尽くしてくれた一角獣に心からの感謝をして。全ての王の記憶を受け継いだアルティナは、彼らの想いを胸に頭を垂れる。
ライオールを解放して――平和を取り戻す。そのためにアルティナにできるのは、ルドヴィクを信じて送り出すことだけ。
「……アルティナ様」
声に振り返れば、部屋の入り口にルドヴィクが膝をついている。彼の腰にはティレルが与えた剣があった。
「――何か?」
「ティレル殿が、ご用だ――と」
「今行きます」
ここに戻ったら、女王と臣下――アルティナは女王としての微笑みを作った。それをルドヴィクに向け、手を差し出す。
かつて、ティレルがいたこの部屋――アルティナの代々の先祖がこの部屋で一角獣を守ってきた。
自分たちのために力を尽くしてくれた一角獣に心からの感謝をして。全ての王の記憶を受け継いだアルティナは、彼らの想いを胸に頭を垂れる。
ライオールを解放して――平和を取り戻す。そのためにアルティナにできるのは、ルドヴィクを信じて送り出すことだけ。
「……アルティナ様」
声に振り返れば、部屋の入り口にルドヴィクが膝をついている。彼の腰にはティレルが与えた剣があった。
「――何か?」
「ティレル殿が、ご用だ――と」
「今行きます」
ここに戻ったら、女王と臣下――アルティナは女王としての微笑みを作った。それをルドヴィクに向け、手を差し出す。